書道用具のひとつである筆は、扱いには十分に注意する必要があります。筆は手入れしていないとすぐに傷んで使えなくなってしまうため、大事な筆ほど丁寧にメンテナンスしていきたいところです。今回は、筆の扱いにおける基礎知識として、おろし方や洗い方のポイント、洗う頻度、その他チェックしておくべき注意点を紹介していきます。
書道用具に欠かせない筆のおろし方
数ある書道用具のなかでも、筆は書道用具の中核をなすものといえます。そのため新品の筆を購入するときは、そのおろし方から適した方法を押さえておきたいところです。初めて使う筆は、使う前の準備が非常に重要となります。
まず、大きく字を書くときは筆全体をおろして使うことが欠かせません。ぬるま湯に筆先をつけ、優しくほぐしていきましょう。そして筆ののりが取れたら、布で丁寧に水を拭きとっていきます。
続いて細字用の筆を新しく使うときに注意したいのは、穂先だけをおろすことです。およそ3分の1を目安として、ぬるま湯につけていきましょう。太字のときと同じで、その後は手でゆっくりと丁寧にほぐしていきます。その後は布の上で回転させながら水を拭きとっていくのがポイントです。
筆はいつ洗うべき？使うたびに洗ったほうがいい？
書道用具のなかでも、筆は特に重要なものとなるため、洗うといった手入れはしっかりとしていきたいところです。しかし、使うたびに洗うべきなのか、その頻度やタイミングについては悩むものです。
基本的に初心者のうちは、使うたびに最後はきれいに洗うのが望ましいでしょう。洗いすぎると劣化するのではと感じる人も多いかもしれませんが、筆は通常、しっかりと洗いながら管理していったほうが長持ちするものです。
ただし、書道を昔から楽しんできて自分なりの表現方法にこだわっている人は、あえて洗わないこともあります。書道は芸術の範囲になるため、筆を洗う頻度にも特にきまりはありません。しかし、きれいに字を書くこと、筆を長持ちさせることを意識するなら毎回洗うのがやはり望ましいでしょう。書道に慣れていくにつれて、自分なりの筆のメンテナンス方法を見つけていきましょう。
筆を長持ちさせるうえで重要な洗い方のポイント
筆の洗い方のポイントを整理していきましょう。まず太筆ですが、根本から丁寧に手を使ってほぐして洗っていきます。洗うときの水は冷水ではなくぬるま湯にするようにしましょう。筆の奥のほうまでしっかりと墨が落ちるように意識して、優しくもみほぐしながらきれいにしていくのがポイントです。
そして洗い終えたら、毛先に向かって絞るように水分を切っていきます。最後は穂先をきれいにそろえ、筆吊りを利用して自然乾燥させていきましょう。
続いて細筆ですが、実は細筆は洗わずに手入れします。半紙やティッシュに水を数滴分含ませたら、その後は、その紙のうえで穂先を整えながら筆を回転させる要領で、丁寧に拭きとっていくのがポイントです。墨が薄くなってきたら、最後は同じように穂先を整えて乾かします。
書道用具は丁寧に扱おう！筆を使っていくうえでの注意点
せっかく購入した書道用具は、長持ちさせるためにも取り扱いの注意点に気をつけたいところです。
筆の場合は、よくある誤った使い方として、キャップをした状態で管理してしまうといったことがあげられます。キャップをすると湿気がこもり、カビが生えたり腐ったりしてしまいます。
また、十分に乾燥しきっていない状態で筆を使うのもNGです。毛の奥側が常に湿った状態になるため、これもカビたり腐ったりする要因になります。きれいに洗おうとして洗剤を使用したり、力強くゴシゴシ洗ったりするのも望ましくないため注意しましょう。
筆などの書道用具は事前に扱い方をチェックしておこう
筆はとてもデリケートな書道用具です。手入れを怠ったり、誤った方法で洗ったりすると、すぐに傷んでしまうことも珍しくありません。筆を長持ちさせるなら、しっかりと基本の手入れ方法は押さえておくようにしましょう。
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