半紙や画仙紙を扱う際には、取り扱いや保存における基礎知識を身につけておくことが重要です。よく聞く「紙を寝かせる」という考え方にはどういう意味やメリットがあるのでしょうか。今回は、半紙や画仙紙を寝かせることの意味やメリット、風邪をひかせないための適切な保存場所について解説していきます。
半紙や画仙紙を「寝かせる」とはどういうことを指すのだろう?
書道における和紙の取り扱いについて、半紙や画仙紙を「寝かせる」という言葉を耳にすることがあります。せっかく書道を楽しむなら、紙の取り扱いには十分に注意して質を保ちたいところです。紙の中には高価なものも少なくありませんし、取り扱いの知識はしっかりとチェックしておきましょう。
ではまず、半紙や画仙紙を寝かせるとはどういった状態のことを意味するのでしょうか。
寝かせるというのは、新品をすぐに使うのではなく、しばらく保管したうえで時間が経ってから使うことです。つまり、半紙や画仙紙の場合は、新しいものをすぐに使うのではなく、購入後にある程度寝かせてから書道に使うことを意味します。
この考え方は書道においてよく見られます。プロの書道家ほど紙のチョイスにはこだわりぬく傾向が強いですし、中には10年以上の長い期間紙を寝かせる人もいるようです。
寝かせる期間はどれくらいがよいのか、一概にはいえないとされています。紙を寝かせる期間を自分なりに探してみるのも面白いでしょう。
半紙や画仙紙を寝かせることによる魅力・メリットを詳しく解説!
書道で、より書きやすさを味わううえで紙を寝かせることがよいとされるのには理由があります。それは、新品の紙よりもしばらく寝かせた紙の方が、繊維がしまる特徴があるからです。繊維がしまることで、にじみが少なくなったりきれいに墨色やかすれが表現されたりするなどのメリットが生まれます。その結果、全体的に書きやすさを味わえる可能性が高まるのです。
ただし、にじみ止めなどの加工が施されている紙については、寝かせることには基本的に意味がありません。加えて、長い間保管することで紙が折れやすくなる、保管環境が悪いと紙が傷んでしまうなどのリスクにも注意したいところです。
半紙や画仙紙の適切な保管場所についての詳細は、次項より解説していきます。
「半紙や画仙紙が風邪をひく」とはどういう意味?
書道の紙を保管していくうえでよく耳にすることの一つに、半紙や画仙紙が「風邪をひく」という表現があります。これはどういった状態を意味するのでしょうか。
風邪をひくということは、人や動物と同じで、本来の健康状態より状態が悪くなってしまうことです。人や動物は、寒い場所に長時間いれば体温調節ができなくなり、体調を崩して風邪をひくことがあります。これと同じように、紙も保管環境が悪いと、寝かせている間に「風邪をひいてしまう」ことがあるのです。
風邪をひいた状態になると、墨に白い斑点のようなものが出てきてしまうことがあるため、保管の仕方には十分に注意する必要があるといえるでしょう。
風邪を引かせないための適切な保管方法とは?保存場所に工夫したいポイント
紙を保存するのに望ましい場所は、基本的に直射日光が当たらないところです。日焼けは、半紙や画仙紙の質を保つうえでの大敵となります。保存場所はクローゼットや押し入れ、タンスの引き出しの中などがよいでしょう。
また、収納した場所の湿度が必要以上に高くなってしまうことも避けたいところです。吸湿剤や乾燥剤、防虫剤などは積極的に使っておきましょう。下にすのこを敷いた状態にして通気性を保つ工夫などもおすすめです。
適切な保存方法で紙はしばらく寝かせてみよう
半紙や画仙紙を購入した後は、より書きやすさを感じるためにも、しばらく寝かせてみるのがおすすめです。寝かせるときのポイントやその魅力をチェックして、自分なりの書道の楽しみ方を見つけてみましょう。
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