書道や習字では、用紙・筆・墨といった道具が必要になってきます。筆と墨はもちろん重要ですが、しっかりとした作品であれば紙にもこだわる必要があるのです。そのため、用途に応じて紙を使い分けるようにしましょう。
適切な紙を選ぶことは、書道や習字において作品の仕上がりに大きな影響を与えます。用途に応じて、紙の色・質感・厚みなどを考慮して選ぶことが重要です。
書道用の紙には種類がある?
書道において用いられる「紙」には、大きく「唐紙」と「和紙」の2種類が存在します。唐紙は中国産の紙であり、和紙は日本産の紙を指します。また、産地の他にも、紙の作り方で違いが出てきます。
このように、唐紙と和紙にはそれぞれ特有の特性があり、書道を行う上で重要な役割を担っています。したがって、書道をする際には紙の特性を理解し、適切な紙を選ぶことが必要です。
和紙と唐紙の違いとは?
和紙
和紙は麻・楮(こうぞ)・三椏(みつまた)といった植物を原料としています。この原料は、繊維が長くしっかりとしているのが特徴です。そのおかげで和紙は、破れにくく丈夫という特性があります。また、表面が滑らかなので筆が滑りやすく、墨本来の色が出やすいのが特徴です。
唐紙
唐紙は竹・藁・桑などの植物が原料です。これらの植物の繊維は短いため、墨をよく吸収します。そのため、唐紙は滲みやかすれといった表現方法と相性がよいのです。唐紙の中でも、画仙紙と呼ばれる紙が主に使用されています。
紙の選び方
前述したように、書道用の紙には和紙と唐紙の違いがあります。それぞれの特徴を活かして、墨本来の色を表現したい時は和紙を、書道特有の滲みやかすれをきれいに出したいという場合は唐紙を利用するとよいです。
また、紙自体の分類に加えて、手漉きと機械漉きのどちらを選ぶのか、という点も考慮しましょう。手漉きの紙は値段が高いという懸念点がありますが、滲みやかすれといった文字の表現力に優れています。
そのため、展覧会用など作品として残すものに最適です。機械漉きは安価のため、作品に取りかかる前の練習用や、習字教室や学童用として使うとよいといえます。
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